はじめての人事社員の実務と心得

はじめての 人事社員の実務と心得の画像
なぜか会社も社員も気がつかない新しい働き方 人材開発会議

田代英治 著
1,470円(税込)
四六判・208頁
ISBN 978-4-906454-16-7

川崎汽船(株)元人事課 課長、独立系人事コンサルタント 
人気ブログ「人事労務屋のつぶやき~独立編~」でおなじみの田代さんの送る、「これを読んでおけば人事部の仕事の全体像がつかめ、担当者としてどんな心構えで何をすればよいのかがわかる」人事担当者必携の入門書!

著者の紹介

tashiro.jpg田代 英治 (たしろ えいじ)

1961年8月福岡県直方市で生まれる。
1985年3月神戸大学経営学部卒業。
1985年4月川崎汽船株式会社入社。人事部での勤務は通算9年間。(営業部での勤務が11年)
1997年12月社会保険労務士(勤務)登録。
2005年6月会社を退職し、社会保険労務士として独立。川崎汽船株式会とは引き続き業務委託契約を締結。
2006年9月株式会社田代コンサルティング設立。

掲載記事

『人事マネジメント』2011年4月号に掲載されました。
□著者に訊く□ 
『はじめての人事社員の実務と心得』の田代英治氏

 新入社員を迎え入れる季節がやってきた。人事部に配属され,4 月から人事マンとしての第一歩を踏み出す社員にとっては,目前の勉強と課題は山積みだ。しかし,いざ,人事のイロハを勉強しようと本屋に行っても,書棚に並ぶ人事関係の専門書は,労働法などのやや敷居の高い解説書ばかり…という思いをした人事経験者は少なくないかもしれない。

 「私自身,人事部門に異動になったのは1993年,その1 年目はもう悪戦苦闘の毎日でした。それまでは畑違いの営業マン。いざ,勉強しようにも入門書は労働法などいずれも難解な本ばかりでハードルが高い。当時から,実務が理解しやすい入門書があったらな,という思いはありました」本書執筆の第一の動機を,田代さんはそう語る。

 さらにもう一つ。独立後,コンサルタントの立場で各社の人事制度の構築・運営や人材教育などに取り組むなかで,人事部門の「人材教育面での余裕のなさ」を痛感したという。それが第二の執筆動機となった。

 「会社規模のわりに人事部門はどこも少人数。日々,目先の業務との格闘に追われて,新しく入ってきた人事マンの新人教育まではなかなか手が回らない。ひと昔前の人材が豊富な時代なら,副部長クラスやベテランの先輩社員が教育係として存在したのでしょうが,今ではそうした余裕のある会社も少なくなりました」

 また,実務同様,人事の心得の部分にも多くの紙幅を割く。「会社と個人のすべてがウィンウィンになれるように調整するのが人事部門の役割であるとすれば,上のほうばかりを見て仕事をするのではなく,従業員のほうにも顔を向ける必要があります。その心得の部分を最初から間違えてしまうと,人事の面白みが遠のいてしまう」と危惧する。

 ややマクロな視点から1 年サイクルで人事業務を俯瞰できるのが,「年間業務スケジュール表」の項目。人材開発,人事政策,労務管理,福利厚生の4系統の4 月から3 月までの予定が中分類,業務別に整理されている。

 「人事の仕事は季節ごとにいろいろな業務があります。採用業務があり,社員研修があり,組合との交渉などもあります。実際に1 年間を通して体験してみなければはっきりとは分からない。

 1 年目で苦労するのも,年間サイクルでの全体像が見えにくいからかもしれません。たとえ上司から教えてもらったとしても,自分自身の実感としてそれが分からない。2 年目になれば,その経験が生きてかなり業務スケジュールの要領もつかめるようになるのですが。その意味でも1 年目は暗中模索。その後の人事マンとしての人生を変える意味でも大きな勝負の年でもあるのです」

 本書のコンセプトはあくまでも「人事の入門編」である。ただし,田代氏自身,「いずれは中・上級編も書きたい」と語るように,入門は入門であっても,人事の中・上級というキャリアステージを念頭に置いた内容でもあり,どう生かすかは読み手次第。

 「人事1 年目を中途半端に終えてしまい,大した成功体験を積めないままに3 年目,4 年目を迎えてしまうと,自分にとっての人事のキャリアって何?ということになってしまいます。

 私の場合,異動1 年目は前述のようにとても苦労しましたが,3 年目になってからは『このままでは終われない』という思いが強くなり,起業への意欲も湧き,社労士の資格試験にもチャレンジしました。

 会社員としての人事はトータル5 年間ですが,3 年目以降はそうした資格試験への挑戦をはじめ,人事制度の改革や教育体系の見直しなど,もっともっと人事を極めたいという思いで,人事業務に取り組みました。そのための基礎固めとしても,1年目は大切だし,自戒を込めて言うなら,自分が1 年目からそれに気づいていれば…と思うこともありますね(笑)」

 若い人事マンの間で「採用をやりたがる人が多い」という人事関係者の声を,最近はよく耳にする。「人事部門の中でのポジティブなイメージの領域が,採用だからでしょう。クレーム対応に追われる労務管理の仕事に比べれば,フレッシュな学生と接する機会も多く,気持ちが前向きになれます。しかし,私にとっての人事の真髄は,むしろ泥臭い裏の部分。ここを経験せずして,人事を卒業するのはとてももったいないことです。経験上からも,ポジティブとネガティブの両方を体験してこそ,バランスの取れた人事マンではないでしょうか。

 個人的には採用業務以上に労務管理のほうが楽しい思い出が多かったような気がします。社員トラブルの難題などに直面する度に救済策を考え,法律や判例を調べるなどして,ベストを尽くして解決へと向かっていく。労務の仕事は誰も褒めてはくれない業務かもしれません。

 むしろ毛嫌いされることの多い損な役回り。でも,そうしたドロドロした裏の部分を担った人間にしか分からない内なる喜びや納得感はとてもあったし,それを経験せずして,人事を理解したとは言えないのではないか。そんな気がしますね。

 私も会社員時代,上司から『採用だけではダメ,人事でも2 つは専門性を持て』と言われました。そうでなければ,将来,指導する立場になったときに役に立たないと」田代氏の上司の言葉を借りるなら,人事においても「1 つではダメ,2 つは専門性を持て」ということであろうか。

 最後にあえて,読者に読んでもらいたい「行間」を挙げるとすれば?

 「人事の面白さ,楽しさはすぐには分からないものだと思います。自ら熱望して人事に配属された人ならともかく,その面白さ,楽しさが分かるまでは,努力,忍耐の日々が続くかもしれません。私自身もその過程で何度も落ちこぼれそうになりました。しかし,それを乗り越えたとき,急に視界が開けて,人に対する貢献の気持ちがとても強くなったのを覚えています。スポーツの世界と同じかもしれませんね。最初は一生懸命に苦労しても,なかなか成果には結びつかない。でも,それを粘り強く繰り返していると,あるときにパッと視界が開けて,全然違う世界が見えてくる。ぜひ,人事を始めたばかりの人たちには,その瞬間を味わえるまで頑張ってほしいですね」

著者の紹介

著者の画像

田代 英治
(たしろ えいじ)

1961年8月
福岡県直方市で生まれる。

1985年3月
神戸大学経営学部卒業。

1985年4月
川崎汽船株式会社入社。人事部での勤務は通算9年間。(営業部での勤務が11年)

1997年12月
社会保険労務士(勤務)登録。

2005年6月
会社を退職し、社会保険労務士として独立。川崎汽船株式会とは引き続き業務委託契約を締結。

2006年9月
株式会社田代コンサルティング設立。

株式会社
田代コンサルティング
オフィシャルホームページ

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はじめてでも分かる人事の取説」

1,000円(税別)
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ISBN 978-4-903613-11-6

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1,000円(税別)
経営書院・80頁
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